前回ソロ公演 Newest work

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このたび、7月31日をもちまして、下記の新作公演を無事に納めさせていただくことができました。

たいへんな暑さのなか、沢山の方々にご来場いただき、心より御礼を申し上げます。また、人数制限をはじめ感染予防関連の様々なお願いにご協力いただき、ありがとうございました。

ただいま、当日アンケートのほかにも、SNSでのご記載や、ご感想メールが届きはじめております。いただいた一言一言がじっくりとエネルギーになり、イメージや思考や動きに何らかの力を与え、新たな作品の萌芽に関わってゆくのではないかと思います。

繰り返し見届けてくださっている方々、また2日連続での立会をしてくださった皆さま、お言葉やご感想をいただいた皆さま、ご紹介者・評者の方々、上演協力・現場協力の方々、強く力をいただいております。

今回の成果をしっかり検証し、より意義のある公演をお届けできるよう、努力したいと思っております。

今後の活動予定など、順次このページにてご案内させていただきます。

みなさま、あらためまして、これからも、何卒よろしくお願いいたします。

櫻井郁也、スタッフ、関係者一同

櫻井郁也ダンスソロ

 や  が  て  、、、 

(タトエバ切ラレタ髪ノ時間ト)  

SAKURAI IKUYA DANCE SOLO

  ”WITH TIME"   

2022

7/30(土)~   31(日)上演完了

東京・六本木

ストライプハウスギャラリー B1

30th and 31th July. 2022 at "STRIPED HOUSE GALLERY" Tokyo Roppongi


揺れる。

傾きつつ進む。       

閃光の果ての、この霧の中で、

切られた髪の時間と、    

光を作る者と、光を滅ぼす者と、

喪失と、来るべきものと、

ともに、

イキモノ全ての知覚が目を覚まし、

血が光になるまで、     

やがて、、、。       

(from notes by Sakurai Ikuya)

疫病の渦中、血はやがて光になる、と愚想した。

それが本作の起点だった。

体内の血の絶え間ない宇宙運動に、炸裂と発光の力を連想した。

血は命、血は有限と無限の繋ぎ手、血は望み、ならば、血は光の原形か。


(私にとってダンスはいつも血液をめぐる感覚と切り離し難い、それは年々確かになっている。)


ある日ふと思った。いつしか歴史なるものが身近に感じられてしまう時代になっている、と。


戦争が始まっていた。

捕虜となり断髪された女性兵士のことをネットで読んだそのとき、心奥でナニカが動いた。そして、もうひとつの「切られた髪」を思い出した。ホロコーストの犠牲になった少女の長い三つ編みの髪を。

それは、編まれたまま切り落とされ、切り落とされたままの姿で収容所跡に残されていた。

それを見た日、身にナニカが宿った。そう思っている。イキモノが入ってきたような感触があって、いまだ、消えない。30年ほど経つが、消えない。

あの切られた髪の発した、あのナニカは、私のどこか奥の方で、時を数え続けている。おそらく、心音とともに。


作品はぐらつき流動し、状況が絡まり、変容を繰り返し、いまこれを書いている。

すべて動いている、不確定に、生々しく。ぎりぎりまでそうなのだと思う。着地など、しない。


歴史なるものとともに、時代なるものとともに、そして、時なるものと、ともに、イる、あるいは、イキる、という感覚が、すこし、すこしだがソコハカトナク生々しく、肌のしたで目覚め始め、骨に疼痛が走る。


どこかで、この身体は死者や未出現者と繋がっているのかもしれない。繋がったまま、彼らの時間と、ともに、オドッているのかもしれない。


時を繋ぎ、時を紡ぎ、時を切断し、血を受け継ぎ、血の受け継ぎを切断し、やがて、、、。


肉体の未来はどうなるのだろうか。今ここにあるコノ体の内部には、どのような時間が孕まれてあるのだろうか。そんなことも、思う。


オドルというより身を静メルことから、内聴という言葉があるならばそこから、つまり、現在この時を確かめる、ということへの集中から、今回は現場に立つことになるのだと思う。そうありたい。


(櫻井郁也 2022年初夏)

【ごあいさつ】


ダンサー・櫻井郁也の最新作を上演します。

櫻井は、2020年の活動自粛によって中断された連続ソロ公演を昨年夏に再開し、本年春には世田谷パブリックシアターで開催された天使館ポスト舞踏公演への出演によって師匠である笠井叡との久々の共同作業を行いました。それらの作業を含め、コロナ禍の数年のなかで積み重ねられた試行錯誤から生み出される新たなダンス作品が、今回発表される独舞『やがて、、、(タトエバ切ラレタ髪ノ時間ト)』です。

ここでは前作から引き継がれた生命の象徴としての血液をめぐるイメージの発展に加えて、抗えない力としての時の流れに対する思索が強く反映され、さらに、戦争、自由、社会、生活、生命倫理、、、など、私たちの現在に直結する思考の断片が身体や音や美術に結びつけられます。また、副題にある「切ラレタ髪」とは、櫻井がアウシュビッツ収容所跡で目撃した犠牲者の少女の髪を指しており、三つ編みのまま切り落とされたその髪に対する思いがウクライナ戦争とも重なり、本作に影響を与えています。

世界の変化のなかで翻弄される一つの生命をめぐるダンス最新作。ぜひ、お立ち会いください。  

(十字舎房 制作部)

▶︎公演活動再開にあたって(文章)=statement


▶︎過去の舞台写真(画像)=Gallery


▶︎チケット情報(空席状況、予約)=Ticket



【出演者紹介】

本作の出演者でありコレオグラファーである櫻井郁也は、舞踏のパイオニアの一人である笠井叡に師事ののちコンテンポラリーダンス/舞踏のフィールドにおいて1997年から独立した公演活動を行なってきたダンサーで、コンスタントな独舞上演を通じて「個」からはじまるもの、「ひとつのからだ」による表現の可能性を追求し続けています。2001年9.11同時多発テロ事件に触れて上演された《非暴力と不服従のダンス》を起点に開始された櫻井のソロシリーズは、観客とダンサーが接近する空間で展開される高密度のダンスパフォーマンスとして、個人が個人を見つめるダンスの現場として毎回高い評価を得ながら毎年定期的に持続され、ポルトガル招聘公演(2006)、ルクセンブルク招聘公演(2012)、長崎原爆70年忌公演(2015)をはじめ、 海外公演や国内主要芸術祭などにもつながる活動基盤となってきました。いま、コロナ禍による活動自粛を経て再開いたしました創作・公演活動の展開を通じて、新たなダンス像を模索し、かつ、みなさまとともに踊りの灯をつながせていただきたく思います。

▶︎くわしいプロフィールはコチラ

【基本情報】

■公演名

櫻井郁也ダンスソロ
『やがて、、、
(タトエバ切ラレタ髪ノ時間ト)』


SAKURAI IKUYA DANCE SOLO
 ”WITH TIME"    


■出演者、スタッフ

ダンス・光・音:櫻井郁也

美術・衣裳:櫻井恵美子

スタッフ:新多至、柴田花子、小林智美、下村友可、縄壮、櫻井碧巴、櫻井千尋 

企画制作:十字舎房

協力:ストライプハウスギャラリー


■日時 

2022年

7月30日 (土) 19:00開演

7月31日(日)15:00開演  


*開場は各20分前。ご来場順のご着席となります。

*開演直前の密を避けるため、なるべくお時間に余裕をもってご来場ください。

*開演後は、演出効果上、すぐにご入場できない場合があります。

*上演時間は70分前後の予定です。

*オンライン配信や動画公開の予定はございません。


■会場

ストライプハウスギャラリー B1

〒106-0032東京都港区六本木5-10-33 Tel:03-3405-8108
▶︎地下鉄「六本木」駅 3番出口より徒歩4分
(六本木交差点アマンドわき芋洗坂下る。欅坂手前、六本木中学校向かい側)

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■料金 Fee

・予約(Rsv) ¥ 3,000(当日払い) 

・当日(Door) ¥ 3,500(残席分のみ先着順)  

・学割(Student)¥ 2,000(要予約・学生証提示/大・中高・専)

※コロナ対策のため各回20席までを目安にしております。なるべく「予約」をご利用ください。

※ご来場6日前以後はキャンセル料が発生します。

※キャンセル料は6~5日前50%、4~2日前70%、前日~当日100%となります。

■感染防止上のお願い

・体調不良時(コロナ類似症状)や身近に体調不良の方がいらっしゃる場合はご来場をお控えください。

・受付検温にて37.5度以上の場合は、ご入場をお断りします。

・場内では必ずマスクを着用してください。

・クロークサービスは出来ませんので、お手荷物は少なくお願いいたします。

・その他、ご来場時のご留意事項がありますので、当webサイト「チケット情報」に記載しております「感染防止のための詳細」を必ずご覧の上ご来場ください。

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